生成AI活用が「働きがい」に寄与する分岐点
調査結果によると、生成AIの活用がポジティブな実感に繋がるには、一定の利用頻度(しきい値)があることが示されました。
まず「働きやすさ」については、「週1日程度」の利用から半数以上が向上を実感しています。これは、生成AIが日々の定型業務の効率化に貢献し、業務負荷を軽減しているためと考えられます。
一方、「働きがい」の向上が50%を超えるには「週2〜3日以上」の利用が必要という結果になりました。このことは、生成AIを単なる業務効率化ツールとしてではなく、日常的なパートナーとして継続的に利用することで、仕事そのものの価値実感や充実感に繋がっている可能性を示唆しています。

若手管理職と50代管理職の「働きがい実感」の差
年代別に見ると、生成AIの活用状況には大きな差が見られました。20・30代の管理職の7割以上が週2〜3日以上利用しており、生成AI活用による「働きがい向上」の実感は、50代の1.7倍に達しています。
この結果から、若手管理職ほど生成AIを前向きに取り入れ、それを自身の仕事の価値向上にポジティブに捉えている傾向がうかがえます。これは、新しいテクノロジーに対する適応力や、それを活用して自らの業務を再構築しようとする意欲の表れと言えるでしょう。

活用が進むほど顕在化する「新たな不安・ストレス」
生成AIの活用によって「働きがい」が高まる一方で、活用が進むほど新たな不安を感じている管理職が多いことも明らかになりました。特に20・30代管理職の72%がこうした不安を感じており、50・60代管理職の不安・ストレス無し回答と比較して1.57倍という結果です。
主な不安要素としては、以下のような点が挙げられます。
-
生成された情報の正確性(ファクトチェック)の手間
-
機密情報漏洩や著作権侵害などのコンプライアンス・セキュリティリスク
-
部下がAIに依存しすぎて思考力が低下することへの懸念
-
自分自身のAIスキル不足への焦り
-
AIを活用する前提での部下の育成・マネジメント方法
-
「AIを使え」という上層部からのプレッシャーと、チーム内での活用度とのギャップ

これらの結果は、生成AIの導入においては、ツールの提供だけでなく、スキルの習得支援、心理的なサポート、そして組織としてのガイドライン整備の重要性が高まっていることを浮き彫りにしています。
未来の管理職像:人間ならではのマネジメントへの注力
生成AIを毎日利用する層の約半数は、AIによって業務が効率化されることで、「より創造的・人間的なマネジメント業務に注力できるようになる」と回答しています。
これは、管理職の役割が、定型的な事務管理業務から、「対人支援」や「ビジョン策定」といった、人間ならではの価値発揮へと進化していく可能性を示唆しています。AIが担える部分はAIに任せ、人はより高度で創造的な業務に集中するという未来像が見えてくるでしょう。

まとめ:AI時代における管理職の役割と企業の対応
今回の調査からは、生成AIが管理職の「働きやすさ」や「働きがい」を高める可能性を持つ一方で、情報の正確性や部下育成、コンプライアンスといった新たな不安や葛藤も生み出している実態が見えてきました。
企業が生成AIを導入する際には、単にツールを提供するだけでなく、管理職が抱く「部下育成への懸念」や「役割の変化」といった声に寄り添い、適切なサポートやガイドラインを提供することが、真に社員が自発的に仕事にのめり込み、成果と成長を両立できる「推せる職場」を実現するための鍵となるでしょう。
本レポートが、AI時代における皆様のマネジメントや組織開発を考える一助となれば幸いです。
調査レポートの詳細
本調査の詳細なデータ、年代別の分析、これからの管理職育成のヒントをまとめた全文レポートは、以下よりダウンロードいただけます。

- 推せる職場レポートVol.6 調査結果ページ:https://oserushokuba.jp/report/report011/
調査概要
-
調査対象:20代〜60代の管理職1,000名
-
調査期間:2026年1月21日〜24日
-
調査方法:インターネットによるアンケート調査
-
発行元:推せる職場ラボ(株式会社NEWONE)
株式会社NEWONEについて
株式会社NEWONEは、「他にはない、新しい(new one)価値を生み出す」を社名に掲げ、エンゲージメントをテーマに、個人の意識変革と関係性の向上を中心とした企業向けコンサルティング、人材育成・組織開発を提供しています。人的資本経営の潮流の中で、社員が自発的に仕事にのめり込み、成果と成長を両立する“推せる職場”づくりを支援しています。
-
株式会社NEWONE:https://new-one.co.jp/
-
主な支援企業:ソフトバンク、カゴメ、三菱地所ホーム ほか多数
-
代表書籍:
-
『人的資本の活かしかた』(2022年7月)
-
『組織の未来は「従業員体験」で変わる』(2024年6月・共著)
-
『部下の心を動かすリーダーがやっていること』(2026年1月)
-


コメント