企業の生成AI活用、進む一方で「使いこなせない層による業務支障」が顕在化
2026年の企業における生成AI活用は、多くの企業で進展しています。しかし、その一方で「使いこなせない層による業務支障」が7割以上の企業で実感されており、特に「課長・リーダー職」の習熟遅れが組織全体のAI定着の大きな壁となっていることが、コーレ株式会社の最新調査で明らかになりました。

導入は進むも、管理職層のAIリテラシー向上が急務
この課題の背景には、生成AIの導入が「業務の時間短縮・効率化」を主な目的として急速に進められた一方で、具体的な活用アイデアの不足やセキュリティへの懸念、そして何よりも管理職層(意思決定を担う層)が実務での利用機会が少なく、習熟が追いついていない現状があります。
調査で明らかになった生成AIの利用実態と課題
コーレ株式会社がビジネスリーダー(企業の管理職)1,008名を対象に実施した「2026年最新・企業の生成AIの利用実態」に関する調査では、以下の点が明らかになりました。
活用ツールは「ChatGPT」が最多、業務効率化を目的に文書作成から定着
業務で活用されている生成AIは「ChatGPT」が約6割で最も多く、次いで「Gemini」「Microsoft Copilot」が続きます。これは、ChatGPTの汎用性の高さや認知度、またGeminiやMicrosoft Copilotが既存の業務プラットフォームと一体化しているため導入ハードルが低いことが影響していると考えられます。

活用業務としては「文書作成(企画書、議事録、報告書など)」が63.1%で最多であり、「情報収集・要約」「アイデア出し・ブレインストーミング」が続きます。これは、生成AIの強みが発揮されやすく、比較的リスクが低く成果を実感しやすい領域から導入が進んでいることを示唆しています。導入目的としては「業務の時間短縮・効率化」が66.2%と突出しており、次いで「コスト削減」「業務品質の標準化」が挙げられています。企業は生成AIを単なるコスト削減の道具ではなく、既存社員のパフォーマンスを最大化するツールとして捉えているようです。

生成AIを使いこなせない層は「課長・リーダー職」が最多
「生成AIを使いこなせない人」として最も多く挙げられたのは「自部門の課長・リーダー職(29.3%)」であり、次いで「経営層(26.8%)」が続きました。現場の一般職よりも管理職・経営層の習熟が遅れている現状が浮き彫りになっています。意思決定を担う層の理解不足は、部下の適切な評価や業務フローの刷新を阻害する可能性があり、組織全体のAI定着における重大なボトルネックと言えるでしょう。
約7割の企業で生成AI導入の専門プロジェクトチームが存在するものの、チーム人数には企業ごとのばらつきが見られます。

活用を阻むのは「セキュリティ不安」と「アイデア不足」
生成AIを導入しても活用が進まない・定着しない要因としては、「セキュリティ面に懸念がある(33.5%)」が最も多く、情報漏洩リスクへの懸念が活用のブレーキになっている実態がうかがえます。また、「生成AIの具体的な活用アイデアが出ない(26.0%)」という回答も多く、ツールの導入が先行し、その活用方法が十分に検討されていない状況が示唆されました。さらに、「情報システム部門の理解・協力が得られない」点も課題として挙げられており、部門間の連携不足も定着を阻む要因となっています。

AI投資は中規模が最多、約9割が今後も投資増額に前向き
年間の生成AIへの投資予算は「100万~500万円未満」の中規模投資が最多であり、多くの企業がいきなり大規模な展開をするのではなく、効果を見極めながら段階的に進める選択をしていることが示されました。予算の捻出元は「新規予算枠で捻出」が最も多く、生成AIが明確な「投資対象」として位置付けられていることがうかがえます。


今後AIへの投資予算を増やしたいと考える企業は全体の約9割に上り、企業の高い投資意欲が示されています。約7割の企業が生成AI導入に手応えを感じている一方で、7割以上が「生成AIを使いこなせない人によって業務に支障が出ている」と回答しており、個人のスキル差が組織全体の生産性に影響を与え始めている実態が浮き彫りになりました。



「導入」から「使いこなす」段階へ:組織OSのアップデートが鍵
今回の調査結果は、生成AIの活用が「導入」フェーズから「使いこなす」フェーズへと移行していることを明確に示しています。今後は、単にツールを導入するだけでなく、マネジメント層の意識改革や、部門横断的なルール設計、そして具体的な活用事例の共有といった「組織OSのアップデート」こそが、AI活用の成否を分ける鍵となるでしょう。
管理職の皆様におかれましては、ご自身のAIリテラシー向上に加え、部下のスキルアップを支援し、組織全体で生成AIを最大限に活用できる環境を整備することが、今後のビジネスにおける競争力強化に不可欠であると言えます。
調査資料ダウンロード
本調査の内容をまとめたスライド資料および、リリース内で紹介しきれなかった詳細な集計データおよびローデータは以下よりダウンロード可能です。
コーレ株式会社について
本調査を実施したコーレ株式会社は、汎用的なAIプロダクトを開発する企業です。作業効率が大幅に向上する高速デスクトップAI「IrukaDark」、作業録画から繰り返し作業を自動化するBrowser Use型AI「Copelf」、AIエージェントと複数のリモートPCをつなぐセキュアなゲートウェイCLI「Nefia」などを開発しています。
コーレ株式会社のWebサイトでは、本調査以外にも海外の最新AI技術論文の解読や、技術実装に向けた独自の考察記事など、専門的なナレッジを多数公開しています。
出典:コーレ株式会社


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