「次世代BtoB営業AI実装委員会」設立:AIを活用した営業職の再定義と知的共創への転換

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AIエージェントが営業現場の「協働者」となる時代へ

一般社団法人AICX協会は、生成AIやAIエージェントの社会実装を推進し、産業と顧客体験(CX)の変革を目指す団体です。この度、日本のBtoB営業、特に大企業のエンタープライズ・フィールドセールスを、従来の労働集約型から知的共創職へと転換させることを目的とした「次世代BtoB営業AI実装委員会」を設立しました。この委員会は、AIを単なる効率化ツールではなく、営業担当者と共に成果を創出するパートナー、すなわち「協働者」として位置づけ、個社に留まらない業界横断的なベストプラクティスの確立を目指すものです。

営業現場が直面する課題と委員会の目的

設立の背景にある営業現場の現実

現代の営業現場では、生成AIやデジタルツールの普及にもかかわらず、提案資料作成、会議、議事録作成、CRM(顧客関係管理システム)への入力といった「非営業活動」に多くの時間が費やされ、顧客との本質的な対話や未来の共創に十分な時間を割けていないという実態があります。

また、多くの企業がAI導入を試みる中で、セキュリティへの懸念、現場のAIリテラシー不足、ROI(投資対効果)の不透明さといった課題に直面し、その効果が部分的な効率化に留まるケースも少なくありません。特に大企業においては、意思決定プロセスの複雑さなどから、変革のスピードが鈍化する傾向も見られます。

こうした状況は、営業職が次世代にとって憧れの対象であり続け、活き活きと働ける職業であるかという問いに、暗い影を落としかねません。この負の連鎖を断ち切るためには、AIを「協働者」として位置づけ、人が「文脈理解」と「信頼構築」という本来の価値創造に集中できる、新しい分業モデルへの転換が不可欠であると委員会は指摘しています。

営業職を「知的共創職」へ再定義する3つの柱

本委員会が掲げるミッションは、「AIエージェントとの協働により、日本のBtoB営業を『労働集約型』から『知的共創職』へ再定義する」ことです。このミッション実現に向けて、以下の3つの柱で実装知の蓄積と標準化を進めます。

  1. 「顧客インサイト」起点の営業スタイルの標準化
    AIの高度な分析力を活用し、顧客の経営課題や市場トレンドを踏まえた提言を行う「インサイト営業・共創型営業」の型を開発・標準化します。これにより、営業の価値を単なる「物売り」から「事業成長のパートナー」へと昇華させます。

  2. 「グローバル水準」の生産性モデルの実証
    提案準備、議事録作成、CRM入力といった非営業活動をAIエージェントで極小化します。フィールドセールスが「顧客との対話」や「未来の共創」に集中できる環境を構築し、トップセールスの思考や行動を形式知化して組織全体に展開することで、グローバル水準の生産性向上を目指します。

  3. 「EX(従業員体験)」向上による人材課題の解決
    「EXの向上がCX(顧客体験)を高める」という考え方に基づき、AI活用によって無駄な業務を削減し、従業員が学習や新たな挑戦に時間を費やせるようにします。これにより、営業職を次世代が憧れる創造的でやりがいのある職業へと進化させ、人材の定着および採用における課題解決に貢献します。

実証と実装を繰り返す活動設計と参画企業

本委員会は、単なる知見の共有に留まらず、参加企業が知恵を持ち寄り、仮説検証を繰り返す「実証実験の場」として設計されています。

活動のサイクル

  • 知の探索: 現場のファクトと成功の種を収集し、ボトルネックを可視化します。

  • 知の深化: 月次の委員会ミーティングなどを通じ、「AIと人が協働する標準モデル」を議論・設計します。

  • 発信と共創: 白書の発行、フォーラム、カンファレンスなどを通じて、社会全体での実装を促進します。

  • 実装と定着: サンドボックス型(試行的な環境での実験)の実証、ナレッジの蓄積、フィードバックループを通じて継続的な改善を図ります。

参画企業・組織

本委員会は、BtoB営業の変革に真剣に取り組む企業・組織を対象としています。業界をリードする大企業、BtoB営業・AI技術・コンサルティング・リサーチに強みを持つ企業、研究機関、営業課題を抱える事業会社、課題解決策を有するソリューションベンダーなどが対象となります。

委員長に上島千鶴氏が就任、各委員からのコメント

本委員会の委員長には、株式会社Nexal 代表取締役の上島千鶴氏が就任しました。上島氏は、約20年にわたりBtoBマーケティングと営業変革コンサルティングに従事し、データ分析やデジタル活用を強みとして、280を超える大手事業体の事業成長を支援してきた実績を持つ専門家です。

上島千鶴氏のプロフィール画像

上島委員長は、「BtoB営業の現場には、長年培われた貴重な『暗黙知』が眠る一方で、配属環境に成長が左右される『先輩ガチャ』や、非効率な業務に追われる実態が根強く残っています」と現状を指摘しています。その上で、AIを「協働者」と位置づけ、営業職を「知的共創職」へと再定義することの重要性を強調しており、熱意ある企業との共創に期待を寄せています。

共同事務局を務めるPwCコンサルティング合同会社は、本委員会の設立を「企業個社の枠を超えてBtoBビジネスの構造そのものを見直す契機になり得る」と評価し、変革を支えるハブとしての役割を果たす意向を示しています。

AICX協会の小栗伸 代表理事は、「営業は、AIによって淘汰される仕事ではありません。AIという強力な協働者を得て、営業は『人の知を拡張し、価値を共創する仕事』へ進化できます」と述べ、AIが情報を整理し仮説を提示し、人が意味を見出し信頼を築くという共創モデルの確立が、本委員会の使命であると語っています。

営業の未来を切り拓く可能性

この「次世代BtoB営業AI実装委員会」の取り組みは、AIを単なる効率化ツールではなく、営業担当者の能力を拡張し、顧客との深い共創を可能にするパートナーと位置づけることで、日本のBtoB営業の未来を切り拓く可能性を秘めています。

管理職や専門職の皆様にとって、自社の営業戦略を見直し、労働集約型から知的共創型への転換を図る上で、本委員会の活動は重要な示唆を与えるでしょう。AIとの協働を通じて、営業職の価値を再定義し、組織全体の生産性向上と従業員のエンゲージメントを高めることは、持続的な企業成長に不可欠な要素となります。

本委員会への参画をご希望の方、または詳細を知りたい方は、以下よりお問い合わせください。

  • AICX協会事務局: support@aicx.jp

一般社団法人AICX協会について

AICX協会ロゴ

一般社団法人AICX協会は、「分断を超え、体験を変える」をミッションに掲げ、AIエージェントの社会実装を推進するために2025年1月に設立された業界団体です。AIエージェントを活用した顧客接点の在り方を進化させ、より良い顧客体験を実現するために、研究・普及・実践のさまざまな活動を行っています。

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この記事を書いた人

沖縄で3匹の猫たちと暮らす「沖縄の黒猫」と申します。スマホやAIの進化で色々な情報が簡単に手に入る便利な時代ですが、得た情報を実践するのは凄く難しいので、得た情報を記事にすることで色々行動出来る様になりたいと思い、サイトを運営しています。

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