シニア人材活躍の鍵は「意識改革」と「越境体験」にあります
結論として、シニア人材が企業や社会で真に活躍するためには、個人の意識改革と計画的な能力開発が不可欠であり、特に「越境体験」が新たなキャリアの可能性を拓く重要な要素となります。企業側には、シニアを「支える対象」ではなく「経験という資源」と捉え、その能力を最大限に引き出す人材マネジメントが求められています。
なぜ意識改革と越境体験が重要なのでしょうか
就業期間が60代後半、さらには70歳まで延長される時代が到来していますが、単に雇用を延長するだけでは、シニアの能力を十分に引き出し、個人のウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)を高めることは難しい状況です。シニアの役割設計や能力開発、処遇のあり方は依然として試行錯誤の段階にあり、高齢期を豊かに生きるためには、社会参加や地域社会との接点を持つことも不可欠であるためです。
成功への具体的なアプローチ
『月刊先端教育』2026年3月号の特集では、多角的な視点からシニア人材活躍の成功条件を探っています。
「支える対象」から「資源」へ:マネジメント視点の転換
早稲田大学大学院経営管理研究科の竹内規彦教授は、「シニアを『支える対象』として一括りにするのではなく、経験という資源を活かし、世代混成で成果が出る職場づくりへと発想を切り替えることが、これからのシニア人材開発の重要な視点となります」と指摘しています。これは、シニア層が持つ長年の経験や専門知識を組織全体の強みとして再認識し、活用していくことの重要性を示唆しています。

キャリアを拓く「越境体験」の力
一般社団法人シニアセカンドキャリア推進協会の髙平ゆかり代表理事は、シニアの意識改革や能力形成を進める上で、「越境体験」が有効であると提言しています。具体的には、副業、越境学習、プロボノ(専門スキルを活かした社会貢献活動)などを通じて社外での経験を積むことで、個人の成長だけでなく、企業にも新たな視点や知見をもたらすとしています。

その他の重要な視点
特集では、他にも以下のような実践的な取り組みや視点が紹介されています。
-
ジョブ・クラフティングの実践: シニア社員が自らの仕事に意味を見出し、働きがいや満足度を高めるための手法です。
-
先入観に囚われないシニア活用: 個々の能力や意欲に着目し、年齢による固定観念を持たずに人材と向き合うことの重要性です。
-
経験知を組織の力に: シニアが持つ豊富な経験や知識を、組織全体の財産として共有し、活用する仕組みづくりです。
まとめ:40代・50代のキャリア戦略として
人生100年時代において、40代・50代のビジネスパーソンは、自身のキャリアを主体的に設計し、変化に対応できる能力を培うことが極めて重要です。シニア層としての活躍を見据え、今から意識改革を進め、越境体験を通じて新たなスキルや知見を獲得していくことが、充実したキャリアを築くための鍵となるでしょう。企業においても、このような個人の主体的な学びや挑戦を支援する環境を整備し、多様な人材が活躍できる組織文化を醸成していくことが、持続的な成長に繋がります。
『月刊先端教育』2026年3月号は、全国の書店およびAmazonでご購入いただけます。


コメント