労働市場の課題を乗り越え、企業成長を加速させる「“はたらくWell-being”」の重要性

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“はたらくWell-being”が、現代の労働市場の課題解決と企業成長の鍵を握る

現代の日本社会において、労働力不足や従業員のエンゲージメント(組織への貢献意欲や愛着)の低迷は、多くの企業が直面する喫緊の課題です。これらの課題を乗り越え、企業の持続的な成長を実現するためには、「“はたらくWell-being”」の向上が不可欠であると、パーソルホールディングス代表取締役社長 CEOの和田孝雄氏と東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授の柳川範之氏が、東洋経済新報社130周年記念セミナーで議論しました。

セミナーの様子

日本の労働市場が直面する構造的課題

日本の労働市場は、労働力不足やエンゲージメントの低迷に加え、AIなどのテクノロジー進展を背景に、大きな転換点にあります。この状況が、企業成長を阻害する要因となっています。

「動かない合理性」とエンゲージメントの低迷

和田氏は、仕事が個人の人生に与える影響の大きさを指摘し、仕事を通じた経験や成長実感、貢献実感が個人の価値観形成に大きな影響を与えることを強調しました。しかし、日本では人材と仕事のミスマッチが生じやすく、個人が「自分で“はたらく”を選んでいる」という実感を持ちにくい状況が続いています。その結果、組織に対するロイヤリティやエンゲージメントが低水準にとどまっている点が、企業にとっての課題です。

柳川氏は、マクロ経済の視点から、転職希望者が増加する一方で、実際の転職者数が伸び悩む状況を「動かないことが合理的になってしまっている構造」と表現しました。この構造が日本の労働市場の停滞につながっており、満足感を持てない状態が続けば、生産性が高まらず、社会全体の成長にも影響を及ぼす可能性を示唆しました。

人材と仕事のミスマッチが個人の主体性を阻害

個人の「はたらく」に対する主体性が低い状態では、たとえ制度や機会が用意されていても、学習(リスキリング)や転職といったキャリア選択に結びつきにくい傾向が見られます。これは、個人が自身のキャリアパスを自律的に描く「キャリアオーナーシップ」(個人が自分の「キャリア」に対して主体性を持って取り組む意識と行動)の欠如に起因すると考えられます。

“はたらくWell-being”がもたらす変革

このような課題に対し、“はたらくWell-being”の向上は、具体的な解決策となり得ます。

キャリア選択への主体性を高める

パーソルグループが行った調査結果では、“はたらくWell-being”に共感している人ほど、学習(リスキリング:新しいスキルや知識を習得し、職務内容の変化や新たな職業に対応できるようにすること)や転職などのキャリア選択に主体的である傾向が見られます。これは、“はたらくWell-being”の実感向上によって、個人が自身のキャリアに対してより積極的になることを示唆しています。

和田氏は、「“はたらくWell-being”の実感向上は、必ずしも人材流出を意味するものではない」と強調しました。むしろ、そうした環境を用意できない企業には人材が集まらなくなる可能性があり、社内の活性化に向けては、現状維持ではなく、チャレンジに一歩踏み出せる人材、すなわち「キャリアオーナーシップ」を持つ人材の比率を高めていくことが重要であると述べました。

企業成長の前提条件としての環境づくり

柳川氏は、“はたらくWell-being”を個人の感情の問題としてではなく、企業が設計すべき環境要因として捉える重要性を指摘しました。人材不足が深刻化する中で、個人の自己決定力や自律性を高める環境づくりが、人材獲得や従業員満足度の向上、ひいては企業成長の源泉につながるという見解です。

経営者が実践すべき具体的なアプローチ

では、企業経営者は明日からどのような行動を取るべきなのでしょうか。

個人の尊重と適切なフィードバック

和田氏は、人材マネジメントの要諦として、「まずは個人をしっかりと見ること、そして適切なフィードバックと評価、期待値を設定し、チャレンジできる機会を提供することが重要」であると指摘しました。仕事の意義や意味、誇りを感じることができるようマネジメントしていくことが、従業員エンゲージメントの向上につながると考えられます。

挑戦を後押しする文化とリスキリング支援

柳川氏は、プロ野球選手のメジャーリーグ挑戦を例に挙げ、「人材を囲い込むのではなく、挑戦を後押しする姿勢が、結果として良い人材を惹きつけることにつながる」と述べました。リスキリングについても、「自社の生産性向上だけでなく、外でも活躍できる人材を育てる視点が重要だ」と強調しています。

企業が個人に「選ばれる存在」となるために

和田氏は最後に、「企業は個人に選ばれる存在にならなくてはならない」と締めくくりました。従業員のエンゲージメント向上や社内活性化は、個人が企業を選ぶ際の重要な判断材料にもなり得ます。だからこそ、“はたらくWell-being”の実感を高め、社員一人ひとりが「自分で仕事を選べる」「仕事に意義を感じられる」と実感できる環境づくりが重要です。

パーソルグループは、はたらく個人に寄り添い、多様なはたらく機会を提供することで、「はたらいて、笑おう。」の社会を実現していくことを目指しています。詳細については、パーソルグループのウェブサイトhttps://www.persol-group.co.jp/をご覧ください。

イベント概要

本議論が行われたセミナーの詳細は以下の通りです。

  • イベント名: 東洋経済新報社130周年記念セミナー「みらい経済会議〜ビジネスリーダーの羅針盤〜」

  • 日時: 3月12日(木)15:40~16:10

  • 会場: TODA HALL & CONFERENCE TOKYO

  • 登壇者:

    • 東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授 柳川 範之 氏

    • パーソルホールディングス株式会社 代表取締役社長 CEO 和田 孝雄

  • 詳細: https://toyokeizai.net/sp/ev/mirai130/

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この記事を書いた人

沖縄で3匹の猫たちと暮らす「沖縄の黒猫」と申します。スマホやAIの進化で色々な情報が簡単に手に入る便利な時代ですが、得た情報を実践するのは凄く難しいので、得た情報を記事にすることで色々行動出来る様になりたいと思い、サイトを運営しています。

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