2025年転職動向の全体像
今回の調査は、2025年に転職した20代から50代の正社員男女1,446名を対象に行われました。その結果、正社員全体の転職率は7.6%となり、前年比で0.4ポイント増加し、調査開始以来の最高水準に達しています。この傾向は特に40代・50代といったミドル層で顕著であり、2021年以降、右肩上がりの上昇が続いています。

転職理由に見るミドル層の意識変化
転職理由の全体では「給与が低かった」が23.2%で最も高く、次いで「仕事内容に不満があった」(21.0%)、「職場の人間関係が悪かった」(20.0%)が続いています。

しかし、年代別の詳細を見ると、ミドル層の転職における新たな動機が見えてきます。30代では「今後の昇進や昇給が見込めないと思った」が前年比で3.7ポイント増加し、50代では同項目が4.3ポイント増加しています。


これは、単に現在の不満を解消するだけでなく、将来のキャリアパスや成長機会を重視する傾向が強まっていることを示唆しています。特に管理職や専門職としてキャリアを積んできた方々にとっては、自身の経験やスキルが将来にわたってどのように活かせるか、という視点がより重要になっていると言えるでしょう。
転職後の年収変化とキャリアの停滞感
転職後の平均年収額は全体で533.7万円となり、転職前の平均年収から19.2万円増加しました。特に30代では32.4万円の増加と高い伸びが見られます。しかし、50代では平均で4.5万円の減少という結果が出ています。

このデータは、ミドル層、特に50代においては、必ずしも収入の向上のみを目的とした転職ではない可能性を示唆しています。この背景には、「キャリアの停滞感」が大きく影響していると考えられます。
実際、転職者の半数以上である52.6%が「前職で自身のキャリアに停滞感を感じていた」と回答しています。その具体的な理由としては、「毎日同じ仕事内容の繰り返し」といった仕事内容への不満、「周りの評価とのギャップ」や「定年までのキャリア予定が明確で、これ以上の役職が見込めない」といった階層や報酬・評価に関する意見が目立ちました。


ミドル層が考えるべきキャリア戦略
これらの調査結果から、現代のミドル層が転職に求めるのは、単に現在の不満解消や一時的な収入アップだけでなく、自身のキャリアを長期的に見据えた「成長機会」や「適正な評価」、そして「将来性」であることが明確になります。
転職を検討される際には、ご自身のキャリアプランを明確にし、以下の点を意識されることをお勧めします。
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中長期的なキャリアパスの明確化: 5年後、10年後にどのような自分でありたいか、具体的な目標を設定しましょう。
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スキルの棚卸しと再評価: これまでの経験で培ったスキルが、今後どのような市場価値を持つのか、客観的に評価し、不足している部分があれば学び直す意欲も重要です。
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企業文化や成長機会の重視: 給与だけでなく、企業のビジョン、文化、そして自身が成長できる機会があるかを深く見極めることが、後悔のない転職につながります。
人手不足が予測される現代において、企業もまた、従業員一人ひとりのキャリアに寄り添った人材マネジメントが求められています。定期的なキャリア面談の実施や、役割・評価に関する丁寧な説明を行うことは、従業員のエンゲージメントを高め、結果として企業の成長にも繋がるでしょう。
今回の調査に関する詳細はこちらからご確認いただけます。



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