IT人材の45%が「静かな退職」を自覚。管理職が今、取り組むべき人材定着と育成の要諦

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IT人材の約半数が「静かな退職」を自覚する現状と、その背景にある評価・報酬への不満、そして「やりがい」の重要性

近年、ビジネス界で注目を集める「静かな退職」という現象をご存知でしょうか。これは、業務において必要以上のやりがいやキャリアアップを求めず、決められた仕事を淡々とこなす状態を指します。レバテック株式会社がIT人材3,000名を対象に行った実態調査によると、IT人材の約45%がこの「静かな退職」を自覚しているという、看過できない結果が明らかになりました。その主な原因は、自身の努力や成果が給与や昇進に正当に反映されないと感じていること、そして「仕事のやりがい」の有無が、この状態を抑止する鍵となっていることが示されています。

この調査結果は、多くの企業、特にIT人材を抱える組織にとって、人材定着と育成に関する重要な課題を提示しています。本稿では、調査の詳細を紐解きながら、管理職の皆様がIT人材のエンゲージメントを高め、組織の持続的な成長を実現するために今、取り組むべき要諦について考察します。

詳細な調査結果は以下の白書全文で確認できます。
IT人材のキャリア意欲に関する実態調査 白書全文

「静かな退職」の広がりとその深層

IT人材の約45%が「静かな退職」を自覚

自身の働き方について「静かな退職」に該当するかを尋ねたところ、「そう思う」(16.4%)と「どちらかというとそう思う」(28.5%)を合わせ、約45%のIT人材が自身を「静かな退職」状態にあると回答しました。

自身の働き方について「静かな退職」であると感じているか

年代別に見ると、20代では58.7%と約6割が該当すると回答しており、若年層での傾向が顕著です。しかし、30代でも45.9%、40代・50代でも3割後半が該当すると回答しており、「静かな退職」は特定の世代に限られた現象ではなく、幅広い年代にわたって広がっている実態が浮き彫りになりました。

自身の働き方について「静かな退職」であると感じているか (年代別)

主な原因は「評価・報酬への不満」

「静かな退職をしている」と回答したIT人材にその理由を尋ねたところ、「自分の努力や成果が、給与や昇進などの待遇に正当に反映されないと感じたから」が42.5%で最多でした。次いで「担当の業務量が多く、心身の健康を優先したいから」(37.3%)、「キャリアアップをしたいと思わないから」(31.7%)と続きます。

この結果は、IT人材が高い専門性を発揮しても、それが適正な報酬や昇進に結びつかないと感じた場合、「努力しても報われない」という認識が広がり、結果として自発的な挑戦や主体的な業務への関与を控える傾向が強まることを示唆しています。

「静かな退職」をしている理由 (複数回答)

「仕事のやりがい」が抑止力に

一方で、「静かな退職をしていない」と回答したIT人材にその理由を聞くと、「仕事にやりがいを感じているから」が43.2%で最も多く挙げられました。続いて「昇進や昇給のために努力が必要だと思うから」(40.5%)、「仕事と私生活のバランスが取れているから」(35.1%)という結果でした。

このことから、報酬や昇進への期待だけでなく、仕事を通じた達成感や成長実感といった内発的動機が、IT人材の主体性を支える重要な要素であることが明確になりました。

「静かな退職」をしていない理由 (複数回答)

管理職が取り組むべき人材定着と育成の要諦

今回の調査結果を受けて、レバテック株式会社 執行役社長の泉澤氏は、企業に求められるのは単に高い報酬を提示することだけではないと指摘しています。泉澤氏は次のように述べています。

「評価制度の透明性を高め、成果が正しく報われていると実感できる仕組みを整えること、そして成長実感を得られる業務機会を継続的に提供することが重要です。仕事を通じた達成感や成長実感といった内発的動機こそが、主体的なキャリア形成を後押しし、結果としてIT人材の離職防止と組織の持続的な成長につながると考えています。」

泉澤 匡寛・プロフィール

このコメントは、管理職の皆様がIT人材のエンゲージメント向上に取り組む上で、具体的な方向性を示しています。以下に、その要諦をまとめます。

1. 公平で透明性の高い評価制度の構築

IT人材の最大の不満が「評価・報酬への不満」である以上、まず取り組むべきは評価制度の見直しです。個々の努力や成果がどのように評価に繋がり、それが報酬や昇進にどう反映されるのかを明確にし、透明性を高めることが不可欠です。評価基準を具体的に示し、定期的なフィードバックを通じて、社員が納得感を持って業務に取り組める環境を整備しましょう。

2. 個人の成長を支援するキャリアパスの提示

IT人材は常に新しい技術や知識の習得を求められる職種です。そのため、自身のスキルアップやキャリア形成に対する意欲が高い傾向にあります。個々のキャリア志向を把握し、それに応じた研修機会の提供、プロジェクトアサインメント、あるいは資格取得支援など、具体的な成長機会を継続的に提供することが重要です。これにより、社員は自身の成長を実感し、将来への展望を持つことができます。

3. 仕事の意義や目的を共有し、やりがいを創出するマネジメント

内発的動機である「仕事のやりがい」は、静かな退職の強力な抑止力となります。管理職は、担当業務が組織全体の目標や社会にどのように貢献しているのか、その意義や目的を積極的に共有することが求められます。また、社員一人ひとりの強みや関心を理解し、それを活かせる業務を割り振ることで、達成感や貢献感を高め、やりがいを創出することができます。

4. ワークライフバランスへの配慮

「担当の業務量が多く、心身の健康を優先したい」という理由も上位に挙げられています。過度な業務負荷は、社員の心身の健康を損なうだけでなく、仕事へのモチベーション低下にも繋がります。適切な業務量の調整、柔軟な働き方の導入、そして有給休暇の取得促進など、社員が仕事と私生活のバランスを保てるよう配慮することで、長期的なエンゲージメントを維持することが可能になります。

持続的な組織成長のために

IT人材の確保と定着は、企業の競争力を左右する重要な経営課題です。今回の調査結果は、単に待遇面だけでなく、評価の納得感や仕事のやりがいといった内発的動機が、IT人材のエンゲージメントに大きく影響することを示しています。管理職の皆様には、これらの点を深く理解し、多様なIT人材が能力を最大限に発揮し続けられる環境を整えることが強く求められます。

レバテック株式会社について

レバテック株式会社は、「日本を、IT先進国に。」をビジョンに掲げ、「IT人材と企業を増やし、伸ばし、繋げる」ためのプラットフォーム構築を目指しています。業界最大手のITフリーランス専門エージェント「レバテックフリーランス」をはじめ、様々なサービスを提供し、累計登録者は68万人を超えています。

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Leverages Groupについて

Leverages Groupは、2005年4月設立。自社メディア事業、人材関連事業、システムエンジニアリング事業など、多岐にわたる事業を展開しています。社会課題の解決と関係者全員の幸福を追求し、インターネットメディア・人材・システムエンジニアリング・M&Aの領域で国や業界をまたいだ問題解決を行っています。2024年度は年商1428億円を突破し、各分野のスペシャリストが集うオールインハウスの組織構成と、業界を絞らないポートフォリオ経営で、時代を代表するグローバル企業を目指しています。

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この記事を書いた人

沖縄で3匹の猫たちと暮らす「沖縄の黒猫」と申します。スマホやAIの進化で色々な情報が簡単に手に入る便利な時代ですが、得た情報を実践するのは凄く難しいので、得た情報を記事にすることで色々行動出来る様になりたいと思い、サイトを運営しています。

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