「ミキワメユニバーシティ プレミアムサミット」開催レポート:AIと人的資本で組織革新を加速するヒント

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イベント概要と成功

AIを活用した人事ソリューション「ミキワメAI」の発表イベントで、2人の男性が「離職を減らす、活躍を増やす」と書かれた看板を持って笑顔で立っている様子。背景には都市のシルエットが描かれ、ビジネスシーンでの利用が示唆されています。

第2回となる今回のプレミアムサミットは、ザサウザンド京都を会場に開催され、2日間の総合満足度は4.64という高い評価を得ました。参加者からは、「日本を成長する企業の考え方、組織論など勉強させてもらえた。AIとの共存など、今後のあるべき姿など学びになった」といった声が寄せられています。大手企業経営層・人事役職者、成長企業経営者が一堂に会し、事業・組織をテーマとした深い交流の機会となりました。

株式会社リーディングマークの代表取締役社長である飯田 悠司氏からは、同社のHR事業「ミキワメ」が「ミキワメAI」へとブランド名を変更し、AIを活用した新たなHRプラットフォームとしてサービス提供を開始することが宣言されました。具体的には、上司と部下の最適なコミュニケーションをアドバイスする新機能「ミキワメAI AIマネジメント相談」と、経営幹部・管理職の自律的成長をAIが支援する新サービス「ミキワメAI AIコーチ」のリリースが発表されています。

イベント詳細はこちらからご確認いただけます。
https://to.leadingmark.jp/mikiwameuniversity/lp/20260203.html

各セッションのハイライト

現場起点の変革論:笛吹けど踊らぬ組織を変える

イベント会場のステージで3人の登壇者がパネルディスカッションを行っている。背景には日本の都市景観や伝統的な建築物がデザインされ、「コミュニティユニバーシティ プレミアムカンファレンス」の文字が確認できる。楽天のTシャツを着た男性がマイクで発言中。

オープニングセッションには、楽天グループ株式会社 常務執行役員 Group CCuOの小林 正忠氏と、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社 執行役員 CHRO 兼 人事・総務本部長の東 由紀氏が登壇し、リーディングマーク代表取締役社長の飯田 悠司氏がモデレーターを務めました。

経営の「べき論」と現場のギャップを埋める

経営が掲げる「べき論」と現場のリアリティのギャップをどう埋めるかについて議論されました。小林氏は、楽天グループの「社内公用語英語化」の事例を挙げ、改革におけるトップの「聖域なき覚悟」の重要性を強調しました。経営トップ自らが退路を断つ姿勢を示し、「なぜその改革が必要なのか」という「Why」を現場と共有することの重要性が説かれています。

一方、東氏は、現場に合わせた「言葉の翻訳」の必要性を提唱しました。「ウェルビーイング」のような抽象的な言葉を現場の従業員に伝える際、相手にとっての具体的な意味を噛み砕き、現場マネージャーが部下と対話できるフレームワークを人事が用意することの重要性を述べました。

現場を動かすコミットメントと余白の設計

トップダウンのコミットメントと現場の自発性を両立させる方法についても議論が展開されました。小林氏は、楽天グループの組織づくりを「成功のコンセプト」という共通の価値観で統一された「1階部分」と、各事業の多様性を尊重する「2階部分」に例え、この共通の土台がイノベーションを生むと解説しました。

東氏は、コカ・コーラ ボトラーズジャパンが経営会議の25%を「人事戦略」の議論に充てている事例を紹介しました。各事業部門のトップを巻き込み大方針を合意し、実行(How)の部分は現場に任せることで「余白」を作っているとのことです。さらに、女性管理職比率などの人的資本経営のKPIを執行役員の業績評価・賞与に連動させることで、人事部門だけに任せない仕組みを構築していることが明かされました。

AI時代に自走し続ける組織のつくり方

自立・自走する組織づくりとAIの活用に関して、小林氏は、楽天モバイルの契約獲得数を全社全部門でランキング化し、週次朝会で発表することで、AI活用や事業貢献を「やらざるを得ない仕組み」としてエンターテインメント化し、組織全体の熱量を高めている実態を語りました。

東氏は、製造・物流現場のDXプロジェクトを推進する「変革リーダー」の育成について言及しました。外部アセスメントを導入して「変革の資質」を持つ人材を発掘し、部門を超えた学びのコミュニティ「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン」を通じて育成している取り組みを紹介しています。セッションの最後には、「人事やマネジメントに正解はない。他社の事例を自社流にカスタマイズして試すことが重要」という小林氏のメッセージと、「AI時代だからこそ、人事がテクノロジーを理解し、変革リーダーになるべき」という東氏の言葉で締めくくられました。

トップマネジメント改造論:社長の孤独と役員の沈黙を終わらせる

チェック柄のジャケットを着たアジア人男性がマイクを持ち、壇上で熱心に話している様子。ビジネスシーンでの講演やプレゼンテーションのようだ。

セッション②では、株式会社サイバーエージェント 常務執行役員CHOの曽山 哲人氏と、株式会社のちはれ 代表取締役の佐藤 学氏が登壇し、「経営と現場の距離」や「次世代への継承」といったテーマについて議論が交わされました。

現場のやる気を削ぐ経営を終わらせる

佐藤氏は、経営層が現場と直接対話し「いいね、やろうよ」と盛り上がる一方で、そのしわ寄せが中間管理職に行き、彼らが結果的に現場の「火消し役」にならざるを得ない構造的な問題を指摘しました。上層部と現場は繋がっているものの、ミドル層が孤立し、すべての責任が集中する状況に警鐘を鳴らしています。

これに対し曽山氏は、サイバーエージェントで実施している「マネージャー専用月報」の取り組みを紹介しました。これは事業担当役員を通さず、社長と人事統括のみが閲覧できる仕組みです。これにより、「成果を出すための障害」や「組織全体の課題」を直接吸い上げ、上層部の指示過多や組織の歪みを早期に発見し、解消に動いているとのことです。さらに、孤独になりがちなマネージャー層を横で繋ぐ「マネージャーエンパワーメント室」を新設するなど、ミドル層を孤立させない具体的な施策が共有されました。

役員の「代謝」と「抜擢」が組織を腐らせない

サクセッションプラン(後継者育成計画)についても議論が及びました。曽山氏は、サイバーエージェントの役員体制の変遷を披露し、かつては2年ごとに役員を入れ替える「CA8」という制度があったことを紹介しました。現在はあえて入れ替えを行わず役員数を増やす期間を経て、2027年の新体制移行に向けた準備を進めていると語っています。創業者である藤田晋氏が自ら退任の意思決定をした背景には、永続する企業を作るための強い意志があったことが明かされました。

一方、佐藤氏はリクルートの社長交代について、約8〜10年周期でトップが変わる構造があると解説しました。その時々の企業のストーリーに合わせて最適なトップが選ばれ、経営チームも一新されるという、同社独自のメカニズムについて語られています。

AI時代のリーダーシップ変革論

セッションの最後はAI活用について議論されました。サイバーエージェントでは、全社員・全役員が生成AIのリスキリングプログラムを受け、部署ごとの活用度を可視化する「AI番付」を実施するなど、徹底して組織全体のAIリテラシーを高めています。

佐藤氏は、AIがゲームチェンジャーとなり、ミドルマネジメントの調整業務などはAIに置き換わる可能性があると予測しています。これからのリーダーには、論理的な処理能力以上に、AIでは代替できない「統合する力」や「コンテキストを描く力」が求められると締めくくられました。

「ミキワメAI」Next Phase:人の可能性を最大化する新機能群を発表

男性がステージ上でマイクを手にプレゼンテーションを行っています。背後のスクリーンには「働きがいにあふれる世界を作りたかった」というメッセージと、仕事のやりがいに関する統計、そして起業の動機が日本語で表示されています。背景には「ミキワメユニバーシ」「プレミアムサ」の文字が見え、ビジネスセミナーの様子を示しています。

本セッションでは、主催者である株式会社リーディングマーク 代表取締役社長の飯田 悠司氏が登壇しました。自身の度重なる事業や組織運営の失敗経験を赤裸々に語り、そこから導き出された「人の可能性を最大化する」というビジョンと、サービス名称を「ミキワメAI」へと刷新する発表が行われています。

離職率40%の組織崩壊から学んだ「個の理解」の重要性

飯田氏は、2008年の創業から現在に至るまでの道のりを振り返り、特に2014年にリリースした動画就活サービス「レクミー」での事業的な挫折や、組織の離職率が一時40%に達していた苦難の時期について言及しました。「働きがいのある会社を作りたい」という創業の想いとは裏腹に組織が崩壊しかけた経験から、事業戦略と組織戦略を一致させることの重要性を痛感したと語ります。現在の成長とGreat Place to Work選出など、働きがいのある組織の両立を実現したエピソードが披露されました。

「ミキワメ」から「ミキワメAI」へ

飯田氏は、サービス名称を「ミキワメ」から「ミキワメAI」へとアップデートすることを宣言しました。労働人口が減少する日本において、AIは人の仕事を奪うものではなく、「人のポテンシャルをさらに開花させるための技術」であると強調しています。個人の性格や心の状態、組織の戦略をAIが学習することで、画一的な一般論ではなく「その人とその会社だけの正解」を導き出すことが可能になると述べました。

公開された新機能およびアップデートは以下の3つです。

  • ミキワメAI マネジメント相談: 部下との1on1において、相手の性格や状態に合わせ、どのような言葉をかければ関係性が深まるかをAIが助言する機能です。

  • ミキワメAI アドバイザー: 従業員個人に向けた機能で、「忙しいが貢献したい、でも休むのに抵抗がある」といった個人の悩みに寄り添い、セルフマネジメントを支援します。

  • ミキワメAI コーチ: 経営層・管理職向けの新プロダクトです。360度フィードバックや個人の強み・弱み、会社の事業戦略を学習した「専属AIコーチ」が、行動変容を促すフィードバックと対話を行います。

特に会場の注目を集めたのは、「ミキワメAI コーチ」のデモンストレーションでした。飯田氏自身が実際にAIから受けたフィードバック画面を公開し、「事業家としての突破力はあるが、経営者としての包摂力が足りない」「仕組み化に長けた人材を切り捨てているのではないか」といったAIからの鋭い指摘と、それに対する自身の内省プロセスを披露しています。飯田氏は最後に、「AI活用によって一人ひとりが生き生きと働き、生産性が上がる未来を皆さまと共に作っていきたい」と語り、会場は大きな拍手に包まれました。

「ミキワメAI」の詳細はこちらで確認できます。
https://mikiwame.com/

人的資本経営の因果論:人の動かし方と儲け方を結び直す

ホテルなどの会場でビジネスセミナーが開催されており、壇上の講演者が聴衆を前にプレゼンテーションを行っています。スクリーンには経営戦略に関する図や、イベント名「ミキワユニバーシティ プレミアムサミット」が表示されています。

本サミットのハイライトの一つとなったのが、京都先端科学大学教授 兼 一橋大学ビジネススクール客員教授である名和 高司氏による基調講演です。本講演では、日本企業が直面する課題と、AI時代における組織進化の道筋について熱い議論が交わされました。

「パーパス」を「プラクティス(実践)」へ

名和氏は、多くの企業が掲げる「パーパス」(企業の存在意義や目的)について、「定着はしたが実践されていない」と指摘しました。パーパスを単なる言葉に終わらせず、現場でのプラクティス(実践)に落とし込むことで、マーケティングコストやオペレーションコスト、そして人的コストの削減に繋がり、結果として利益を生み出す構造を解説しています。また、人的資本経営において重要なのは、人材への投資がどのように未来の利益を生むかというストーリーを語ることであるとし、人的資産・組織資産の蓄積が企業価値の向上に直結すると強調しました。

「たくみ」を「しくみ」に変える組織のアルゴリズム

日本企業の強みと弱みについての議論では、「たくみ」(個人の卓越したスキル)と「しくみ」(スケーラビリティ、再現性)の関係性に焦点が当てられました。名和氏は、日本企業は現場の「たくみ」は優秀であるものの、それを組織全体で再現可能な「しくみ」にするハード面が弱いと分析しています。イノベーションは本社ではなく現場の「ゆらぎ」から生まれるとし、現場の創意工夫を本社がいかに吸い上げ、標準化し、さらに進化させるかという「クリエイティブ・ルーティン」の重要性を説きました。

AIは「個人のツール」ではなく「組織知」として活用せよ

セッションの後半では、テーマである「AI活用」について議論が深まりました。名和氏は、AIを個人の業務効率化ツールとして終わらせることに警鐘を鳴らし、「AI基盤を組織として持ち、個人の暗黙知や試行錯誤のログを『組織知』として蓄積すべきである」と提言しました。AIを活用して「たくみ」の行動特性を解析し、それを若手が模倣・学習することで、人材育成のスピードを劇的に高めることができるという視点は、会場に集まった経営者・人事リーダーから大きな共感を呼んでいます。

ディナー交流会・希望者限定ナイトゼミ

「ミキワメユニバーシティ プレミアムサミット」が開催されているビジネスイベントの様子。参加者たちが立食形式で会話を楽しみ、活発に交流している。会場は落ち着いた照明で、プロフェッショナルな雰囲気が感じられる。

長丁場の1日目を終え、参加者全員での立食形式のディナー交流会が開催されました。ザサウザンド京都の料理を楽しみながら、参加者同士が交流を深める貴重な機会となりました。その後、希望者限定のナイトゼミも開催され、21時からの開催にもかかわらず100名以上が参加し、さらなる学びを追求する熱意が示されています。

まとめ

今回の「ミキワメユニバーシティ プレミアムサミット」を通じて、経営層の覚悟と現場との対話、ミドル層の孤立を防ぐ仕組み、そしてAIを個人の効率化ツールに留めず「組織知」として活用することの重要性が浮き彫りになりました。これらの議論は、経営層と現場が一体となり、AIを戦略的に導入することで、個人のポテンシャルを最大限に引き出し、企業全体の生産性と創造性を高める道筋が明確になったと言えるでしょう。未来の組織を牽引する皆様にとって、本レポートが新たな視点と行動のきっかけとなれば幸いです。

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この記事を書いた人

沖縄で3匹の猫たちと暮らす「沖縄の黒猫」と申します。スマホやAIの進化で色々な情報が簡単に手に入る便利な時代ですが、得た情報を実践するのは凄く難しいので、得た情報を記事にすることで色々行動出来る様になりたいと思い、サイトを運営しています。

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