メールを書き始めるまでに時間がかかる。丁寧にしたつもりが、何を頼みたいのか分からなくなる。そんなときは、生成AIに文章のたたき台を作ってもらう方法があります。
この記事では、特定のサービスや有料プランに依存しない入力例を紹介します。掲載するメールは説明用の架空の例です。実際の顧客情報や社内資料を使った実験ではありません。AIの文章を送信する前に、事実と自分の意思を確認するところまでを一つの作業として考えます。
最初は「文章を整える」小さな用途から
AIに任せる範囲を、すでに分かっている内容の整理に絞ると、出来上がりを確認しやすくなります。例えば、箇条書きの用件を短いメールにする、長い文から重複を減らす、強く聞こえる表現をやわらげる、といった用途です。
一方、相手に約束できる納期や、値引きを認めるかどうかをAIに決めてもらうと、書きやすさと引き換えに確認が増えます。先に自分で決めた条件を渡し、決まっていないことは補わせないようにします。
入力する情報は四つに分ける
| 伝える項目 | 記入例 |
|---|---|
| 目的 | 打ち合わせの候補日を確認する |
| 相手との関係 | 面識のある取引先。敬語を使う |
| 決まっている事実 | 所要時間は30分、オンラインを希望 |
| 文章の条件 | 件名付き。本文は短く。日時は補わない |
相手の実名や所属を伝える必要がなければ、「取引先A」「担当者B」のような仮の表記に置き換えます。ただし、名前だけ変えても、案件の内容や金額、特徴から相手が分かる場合があります。必要のない情報は、置き換えるより削る方が確実です。
そのまま練習できる日程調整の入力例
次の条件だけを使い、打ち合わせの日程調整メールを作成してください。 目的:候補日時を相手に確認する。 相手:面識のある取引先A。 事実:オンラインで30分程度。候補日時は私が後で入力する。 形式:件名と本文。本文は200字程度。 条件:候補日時は[候補1][候補2]と表示する。 未確認の事情、締切、相手の都合を推測して書かない。
文章例は次のようになります。AIサービスや入力方法によって、返ってくる文章は異なります。
件名:打ち合わせ日程のご相談
取引先A様
いつもお世話になっております。オンラインで30分程度、打ち合わせのお時間をいただけますでしょうか。候補は[候補1]、[候補2]です。ご都合が合わない場合は、別の候補をお知らせいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
ここで大切なのは、読みやすさよりも先に、候補日時が実際に空いているかを確認することです。角括弧のまま送らないよう、宛名と一緒に置き換えます。「オンライン」の方法を案内する必要があれば、確定後に自分で追加します。
依頼メールは「何を・いつまでに・なぜ」を確認する
資料の確認を頼む場合、次のように条件を具体化できます。期限を決めていない段階なら「締切は書かない」と伝えましょう。
資料の確認依頼メールを整えてください。 相手:同じ部署の担当者B。 依頼:資料のうち、数値の転記に間違いがないか確認してほしい。 範囲:内容全体への意見は今回は求めない。 期限:[自分で決めた日時]。 理由:提出前に数値をそろえるため。 条件:命令口調を避ける。新しい約束や事実は追加しない。
「いい感じに書いて」だけだと、相手に求める作業が広がりやすくなります。確認対象を絞ると、受け取った相手も動きやすくなります。返答が長すぎる場合は、同じ事実を保ったまま「依頼と期限を先に置き、150字程度に短く」と追加で頼めます。
送る前に確認する五つのこと
| 確認箇所 | 見るポイント |
|---|---|
| 宛先・宛名 | 仮名の置き換えと、送信先の一致 |
| 日時・数字 | カレンダーや元の記録と照合 |
| 約束 | できない納期や確約が追加されていないか |
| 添付 | 本文に書いた資料を実際に添付したか |
| 言い方 | 普段の関係に合い、自分の意図を表しているか |
AIは、自然な文章の中に入力していない事情を足すことがあります。特に「前回お話ししたとおり」「必ず対応します」などは、事実や約束を含む表現です。敬語が整っていても、内容が正しいとは限りません。
仕事の情報を扱う前に確認すること
IPAは、クラウドAIへの営業秘密の入力に注意を促しています。業務で使う場合は、勤務先が利用を認めているサービスと入力可能な情報を先に確認してください。個人で有料契約していることは、社内情報を入力してよい理由にはなりません。
練習では、実際のメールを丸ごと貼る代わりに、用件だけを架空の条件で書いてみます。最初の目標は大量のメールを作ることではなく、自分で確認できる短い一通を整えることです。相手の意図を確かめる場面のヒントは、会話をつなぐ3つのフレーズでも紹介しています。
参考資料
IPA「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」。情報の取り扱いに関する部分を参照しました。入力例と確認表は当サイトで作成した例です。情報確認日:2026年10月4日。


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